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大阪市職員、病院舞台に還付金詐取事件1億5千万円の構図

大阪市職員が、病院を舞台に1億5千万円もの還付金を詐取したとされる事件。その大阪市職員の男は逃走から3週間、ラブホテルで身柄を確保されましたがいったいどうやって1億5千万円もの還付金を詐取したのでしょうか?その錬金術の全容が明らかに。

 大阪市職員による還付金詐取事件の構図

犯人は、東大阪市職員の繁田敬治容疑者(58)。事件は東大阪市西岩田にある「東大阪市立総合病院」でおきます。繁田敬治容疑者(58)は今年、2016年3月末までの12年間
、同病院の医事課などで勤務、2016年4月から現在の職場である市美化推進課に移動後もたびたび同病院に来て同様に還付金の詐取していたといいます。

医療費を払い戻す還付金制度を悪用か?

病院関係者によりますと、繁田容疑者は2004年から同病院に勤務。2011年から2016年3月末までの5年間は医事課ナンバー2の総括主幹を務め、患者からのクレーム対応を担当、診療報酬の請求や医療費の受け取りなどには直接かかわっていませんでしたが、2013年ごろから繰り返し医療費をだまし取っていたようです。還付金詐取の手口は主に2つ。一つは、患者側に入院代などの医療費を払い戻す還付金制度の悪用。患者側からすでに支払われた入院費や治療費について、「入院代の計算に誤りがありました。自分が患者に還付するよう事務局長から言われています」などと窓口の担当職員に嘘を言い、不正に還付手続きを行うよう指示して金をだまし取っていたとされています。こうした不正は百数十回にわたり、1回につき約10万〜100万円を支出。繁田容疑者は職員IDとパスワードを使って電子カルテを閲覧し、還付金の払い戻しに悪用する患者の情報を集めていました。虚偽の還付金の払い戻しによる被害額は約1億円に上るとされています。もう一方は、患者側から支払われた医療費を「未収金」として未払い処理して着服する手口。患者が窓口で支払った現金を未払い処理するよう窓口の担当職員に強く求め、現金を持ち去っていたといいます。さらに不正が発覚しないよう、未払い処理をさせた職員に「患者さんへの督促はしなくても大丈夫ですから」などと伝えていました。この手口による還付金詐取の総額は数千万円とされますが、具体的な被害額や不正が行われた期間は病院側が現時調査を進めています。

繁田敬治容疑者(58)について

普段はTシャツにジーパン姿という、およそ公務員とも思えぬラフな格好で業務を行い、欠勤も多く、不正な還付手続きを担当職員に依頼する際も、病院幹部や市議の名前を挙げ、「○○さんも了解済みやから頼むわー」などと豪快に叫ぶなど、大胆不敵な言動を繰り返していたといいます。ある病院関係者の話では「職務態度や服装がおかしいと思っても、周囲に注意できる人間がいなかった」と証言しています。

 背景には病院側のずさんな管理体制も

患者から一度納められた診療費をいとも簡単に支出できた背景には、ずさんともいえる「東大阪市立総合病院」の管理体制にも問題があったといえそうです。繁田容疑者が還付手続きや未収金の扱いについて指示していた相手は、いずれも市から会計業務を委託された民間会社の派遣社員。還付業務や未収金の取り扱いも派遣社員が行っており、正規の職員によるチェックはありませんでした。一方、繁田容疑者は今年2016年4月に市環境部に異動後も同病院を訪れ虚偽の還付手続きを行い、7月までの4ヶ月間に約1千万円もの還付金を詐取していた疑いがあることも明らかに。病院関係者によりますと、4月以降もたびたび病院を訪れ、「上司の指示やから」などと同様に虚偽の還付書類を派遣社員に提出し、金を受け取っていたとい言います。

事件発覚のきっかけ

一連の不正は今年2016年7月、病院会計を精査する中で未収金の多さに別の職員が気づいて発覚しました。病院側は2016年7月11日から内部調査を始めましたが、その2日後の同13日、繁田容疑者が架空の医療事故で患者が死亡したと装い、同様に現金約90万円をだまし取っていたといいます。

もっと早くに対応できた可能性も 

還付金詐取の芽はもっと早くに摘み取ることができた可能性もあったといいます。大阪市の監査委員は2016年2月、医療費の未収金が多いことや還付金が高額であることを指摘しましたが、病院側は一切対応を取っていませんでした。東大阪市立総合病院の築山秀次事務局長は取材に対し「もっと早く対応していれば、被害は少なく抑えられたと思う。病院のチェックが甘かったことは反省している」と述べています。

不祥事連発…打開策は

2016年9月13日に繁田容疑者が逮捕されたことを受け、野田義和市長は翌9月14日、「職員が逮捕されたことは遺憾の極みであり、心からおわび申し上げる」とのコメントを出しさらに、外部の弁護士らを交えた第三者委員会を設置し、原因究明と再発防止にあたることも表明しました。 ただ、東大阪市では昨年も男性職員3人が大阪府警に逮捕され、いずれも懲戒免職処分となっています。建築部政策推進担当官(58)は、大阪市が発注した学校の耐震補強工事で業者に便宜を図った謝礼に現金200万円を受け取り、有罪判決を受けています。道路管理室次長(50)は、職員の親睦会費約380万円を着服したなどとして業務上横領や窃盗などの罪で起訴。40代職員も下着を盗む目的で住宅に侵入した疑いで起訴されています。不祥事が相次いだことから大阪市は昨年2015年12月、副市長をトップとする「コンプライアンス推進委員会」を設置。2016年3月末には公益通報の拡充や危機管理の徹底を掲げた指針を取りまとめ、信頼回復に乗り出します。それでも浄化は進まず、今回の大阪市職員による還付金詐取事件を防ぐことはできませんでした。こうした大阪市の対応について、あるベテラン市職員は「対策がその場しのぎのパフォーマンスに終わっては意味がない」と厳しく批判。「昨年の贈収賄事件も今回の詐欺事件も、職員個人の不正を上司や周囲がきちんと問題視して指摘できなかったことが大きな問題。抜本的に市の体質を是正しないと不祥事はまた繰り返される」と嘆いていました。