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東京五輪見直し求められる競技場!その一つはここ

抜本的見直しをもとめられた競技場の一つに「海の森水上競技場」があります。ご存知でしょうか?2020年東京オリンピックの「ボート」「カヌー(スプリント)」の競技場として、東京湾の埋め立て地の水路に計画された施設です。ところが、計画が具体化するにつれ、肝心のアスリートたちから「海の競技場なので波や風の影響が強すぎる。競技に向かない」といった声があがっておりさらに建設費が一挙に7倍に膨らんだことから、「壮大な負の遺産」への懸念もあります。「海の森」は何がネックなのでしょうか?

海水でのボート競技はやりたくない!

日本体育大学ボート部の「鈴木正保監督」は、1年ほど前オリンピックの出場経験者と一緒に「海の森」予定地に出向き実際にボートを漕いでもらったことがあるそうで、「あそこに行ってみると分かるんですが、風力発電の風車が立っていて、風力発電ができる風が吹く場所という証拠みたいなものです。その風もコースの横から吹いてくるので、ボート競技、カヌー競技で「横風」は選手たちにとって大変な問題になります。また鈴木監督の懸念は何よりも、この「海の競技場」という点にあり海からの風を防ぐため計画では「防風壁」を作ることになっていますが、莫大な費用をかけてコンクリートに囲まれた人工のコースを作り、むりやりそこでオリンピックをやるのはおかしく、さらに、この場所は超過密空港である羽田空港への飛行コース直下にあり集中したい選手が旅客機のごう音によって集中力もなにかも吹き飛ばされてしまいますと指摘。また

1996年アトランタ五輪から5回連続で五輪に出場、日本におけるボート競技の第一人者でもある「武田大作選手」も(DCMダイキ所属)完全な海水でのボート競技は五輪では初めてで不適当だと思います。海だと浮力で若干、ボートが浮いたようになり、風によるうねりもあります。本当に漕ぎにくく、うねりを防ぐために防風壁を造ったとしてもコースの左右で差が生じさらにコースの幅が広いので、両岸でフェアでなくなり海では必ず風が吹き、レーン差が出ます。後輩も『本当に海でやるんですか』という意見で選手全員が驚いており、あそこでは絶対にやりたくないと言っています。とさらに指摘します。

 

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「都市開発ありき」の指摘も

 

不透明な事業予算の問題も大きく東京都が2013年1月、国際オリンピック委員(IOC)に立候補ファイルを提出した時、「海の森」の本体工事費は69億円とされていました。ところが、2013年9月東京開催が正式決定された後、工事費はいきなり、1038億円と見積もられ一挙に10数倍になります。国民の注目が集まった新国立競技場のケースは、1300億円が2500億円に倍増し大騒動になりましたが、金額こそ違えど、膨らみ方は「海の森」の方ががはるかに大きいのです。2014年11月になると、舛添要一元都知事が「圧縮した」と都議会で表明、金額はおおよそ半分の491億円になりましたがそれでも、当初の見積もりの7倍。なぜ、こんなことになっているのでしょうか?東京都オリンピック・パラリンピック準備局施設輸送担当部長の花井徹夫氏にたずねると、こう説明しています。「当初の69億円というのは、立候補ファイル時点の整備費で、立候補した時の金額です。具体的なことが極めて難しい中、本体工事費だけを計上し調査や設計、周辺の整備費は含んでいませんでした。」と回答。 花井氏の説明によると、本体施設の設計費や上下水道など周辺整備の費用、海域の調査に掛かる経費といったものは、東京開催決定後に足し算した、というもので工事期間中の警備に関する費用、消費税の増税分(立候補当時は5%、開催時は10%)、物価上昇の見込みなども盛り込んだ結果、「491億円」という見積もりに変更されたのだといいます。そういった計画に対し、東京五輪開催を都民の目線で見つめ直し、より良い大会にしようと活動を続ける団体「2020オリンピック・パラリンピックを考える都民の会」のメンバーは、異を唱え続けています。「都民の会」事務局長の萩原純一さんは、そもそも「海の森」はスポーツ振興のためなどではなく、都市開発ありき、で始まったと考えています。同じく都民の会メンバーの「市川隆夫」さんは「2016年(開催の五輪)招致に失敗した時も、ボートとカヌーはここでやる計画だったそうで、臨海部の選手村を中心に8キロ圏内に施設を集め、コンパクトなオリンピックということを売りにしました。その8キロ圏内を地図に落とすと、東京の臨海部がすっぽりと入り、そこは企業誘致などが思い通りに進んでいない再開発エリアでもあります。「東京都は臨海部開発失敗のツケを、今回のオリンピックでいろいろな施設をここに持ってきて、邪魔な橋は撤去し、東京都の全体計画の中で臨海部を再開発する大きな狙いがあるのではないか?」と指摘します。

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また、都市政策を専門とする五十嵐敬喜・法政大名誉教授も「海の森」の経緯には大きな疑問を持っています。節約でコンパクトな五輪にすると言ってたものが、森喜朗氏の話では「何兆円になる」と、どんどん膨れあがっています。五十嵐名誉教授は東京都の情報公開の少なさに問題があるとし、「わけの分からない費用がずっと積み上がっていき、当初予定の69億円が1038億円に増えたとき「関連施設を入れるから増えた」と聞きましたが、どんな関連施設で何と何がそうなのか?それすら分かリませんでした。と言います。工事の主体もばらばらで、「海の森」本体の発注者は東京都港湾局。他国のように「スポーツ省」などが全体を見渡し、工事など準備段階から統一的に仕切っていく仕組みになっておらず「新国立競技場」より目立たないから関心が低いと思いますが、問題の性質と疑惑は国立競技場と同じで実はもっと根深いかもしれないと指摘しています。

却下された「ボートの町」の代替案

アスリートが反対し、都民や専門家も疑問を投げかける「海の森」。実は、「反対」の声の中には代替案もありました。代替案の発信地は埼玉県戸田市。「ボートの町」として、名は全国に知れ渡っており、前回1964年の東京五輪でボート競技の会場となった戸田漕艇場があります。戸田漕艇場は国際規格に合わず、五輪会場にはなれませんが同じ市内に荒川の調整池として造られた「彩湖」があります。淡水の湖なので当然、塩の影響はなく風は静かで波の影響もありません。広さも十分で、アスリートたちも「臨海部の海でやるより、「彩湖」で競技を行うほうががはるかにいいと口にしています。戸田市市長によると、ボート競技の関係者らが地元建設業者に見積もってもらったところ、国際規格のコースを50億円弱で造る事が可能だったそうで、「彩湖」での競技場計画を立て、図面も完成させ、2014年9月東京都や大会組織委員会に提出しました。翌年2015年1月にも東京都知事あてに要望しましたが反応はなかったと言います。東京湾は通常、3〜4メートルの風が吹きますが ここ「彩湖」はほとんど風はありません。公平なレースができ費用面でも非常に安く済みます。さらに、前回五輪後の再利用についてもまさに戸田市はこれまでずっとやってきており、選手も日頃戸田市に来ています。戸田市で開催すれば競技場はオリンピックの遺産として残りその後もずっと有効活用が続けられます。と戸田市長は言います。またボートの町で長年、アスリートたちを励まし、育ててきた埼玉県ボート協会理事長の和田卓さんも、「彩湖」の優位性をこう強調します。「日本の一番いい場所を世界の人たちに見せる。世界最高の場所を日本が提供し、最高のパフォーマンスを出してもらうのが、ホスト国としての役割ではないかなと思います」と語り交通の便も含め、戸田市「彩湖」の方が圧倒的にいいと東京大学ボート部の選手も同意見。しかし、競技の主人公であるアスリートたちが懸念を示し、予算面でも疑問が指摘される「海の森競技場」。東京都は、施設の本体工事を落札した施工業者と正式に契約を結んでいますが、小池百合子東京都知事が本部長とする、東京五輪・費用をチェックする「都政改革本部」が今後どのように手腕を発揮していくのか見守って行きたいところです。