キリンビールが、アメリカニューヨーク州・クラフトビール製造のブルックリン・ブルワリーと提携し国内初となる海外クラフトビールの生産を行うことを発表しました。
2017年から、日本とブラジルで海外クラフトビールであるブルックリン社ブランドのビールをキリンビールは製造・販売する事となるようです。
キリンビールがクラフトビールを販売する理由とは?
キリンビールを含め日本国内ではビール市場の縮小が続いていますが、ビール大手のキリンビールもそれは避けられない現実となっています。
しかし、風味や製法にこだわって造られているクラフトビールだけは唯一、需要が伸びているビール銘柄。
キリンビールは世界的に著名なブランド、「ブルックリン・ブルワリー」と手を組み国内ビール販売の巻き返しを図る模様です。
クラフトビール「ブルックリンラガー」の特徴
ブルックリンラガーには以下の特徴が挙げられています。
- ニューヨークのナンバーワン地ビール『ブルックリン・ラガー』
- デザイン性の高いお洒落なラベル
- ホップの利いたほろ苦い、コクのある味。
- 薄い味が多いが、これはキレのある辛口で後口には甘さを感じるコクのあるビール
- 色は美しい琥珀色で度数は高め
この特徴がニューヨーカーの感度にぴたりとあてはまり、人気のビールとなっているようで、その為か、今ではマンハッタンのほとんどのレストランやバーに、置いてあるポピュラーなクラフトビールです。ブルックリン地区はかつてドイツ移民が多かったので、禁酒法時代以前から本場ドイツビールの製法を守り続け、芳醇なビールを生み出したと言われてます。
クラフトビール「ブルックリンラガー」の流通と価格について
日本では2017年1月をめどに合弁会社を設立するもようです。キリンビール側が50%超を出資。主力「ブルックリンラガー」の缶、瓶、飲食店用たる生をキリン工場で生産し、高級スーパーや酒販店、都心の飲食店などを通じて独占販売するようです。小規模な醸造所でつくられるブルックリンラガーはコクのある辛口の濃いビールで、文化人やファッションに敏感な層に人気が高いと言われています。
日本での販売価格
価格は、1本400~500円程度と一般的なビールより若干高めで、日本のビール大手が海外のクラフトビールを生産するのは今回が初めてとなります。ブルックリン・ブルワリーの生産量は、3万5千キロリットルと米クラフトビールメーカーでは12位の規模ですが、約半分を輸出しており輸出量では第2位。日本でどれだけ人気が出るのか注目が集まります。
キリンビールの提携したブルックリン・ブルワリー社について
創業は1988年。醸造を統括するギャレット・オリバー氏はクラフトビール界ではカリスマ視される存在とのこと。
これまで、大手ビール会社は多額の広告費や販売費を使って大型ブランドを全国展開する手法が一般的でしたが、アメリカでは「バドワイザー」などの勢いは低下し、クラフトビールが市場の2割弱を占めるまでに成長しています。
キリンビールが提携した背景?
キリンビールを含め日本国内でもビール系飲料市場は11年連続で縮小しました。
キリンビールは画一的な大型ブランドだけでは成長は困難と判断し既にクラフトビール国内最大手、ヤッホーブルーイング(長野県軽井沢町)と提携しています。今回世界ブランドを加えさらなる需要を開拓する狙いです。酒税改正議論が本格化しており、今後、付加価値の高いビールに注目が集まるとの読みもあるようです。日本国内でのクラフトビール市場は約4万キロリットルで、キリンビールグループはそのうち約4分の1を占めます。2021年での国内ビール市場は15万キロリットルに成長すると予想されており、キリンは50%のシェア確保を狙っているとのことです。